Fall Season New York 2007

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| 美術館,MoMA Report |

 さて、今年のこの時期いつもなら各美術館も企画展でにぎわっているはずなのですが、これがまた以外と静か、私の気を引く企画がなかったのかもしれませんが、面白かったのはMoMAだけでした。もっとも、メトロポリタンのギリシャ館(展示内容、大改装)が素晴らしくなったと聞きましたが、次回に楽しみを残しておきました。まず



◎ Georges Seurat :MOMAのスラーDrawings:
    MoMA Georges SEURAT SITE
 ジョルジュ・スラー(日本ではスーラと発音しますが、現地では「スラー」と言われています。) 日本では馴染みが少ない作家ですが欧米では著名な作家です。点描画の発案者とも言われる人ですが、それだけにはとどまらず、画面構成の方法、いわば、「作られた絵画」風景であって実存しない構成を描き込んだ作家として20世紀の作家に与えた影響は計り知れないものがあります。 作家が活躍した時期は19世紀後半ですが、その作風には新しい感性があり、後に続く運動、フォービズムやキュビズムなどへの影響、しいてはシュルレアリズムまでその画面構成、視点、思想が受け継がれているとも言われます。

ドローイングの画面だけ見ると19世紀、ドガ、ゴッホなどの巨匠と共通するものもあります。しかし、綿密に計算された画面から醸し出される光と影、暗い中に在る微かな光を描く術は見る者を異次元に吸い込んでいくほどの力強さがあります。それらの経験、数多くの習作、デッサンを重ねた中に集大成の作品monumental canvases (such as the renowned A Sunday on La Grande Jatte)「グランジャッドの日曜日」が生まれてくるのでしょう。



 展覧会では、このグランジャッドの作品に使われた「パーツ」例えば「つりをする人」「猿」「日傘を差す婦人」等々、のデッサンをはじめその構成を緻密に書き上げたスケッチブックまでが展示されています。何故か白黒の世界で色を感じさせる、ルドンなどもそうですが、(彼の場合は神話や詩などがテーマですが)そこにあってそこにない物を描き上げるテクニックは素晴らしい物があります。

 実際、作品には人の顔などははっきり描かれてはいません。ボ〜〜とした粗いタッチの画風、輪郭しか分からないものがほとんどです。くしゃくしゃに描かれたデッサン、 ジャコメッティーが顔を描くときにグルグル円をかき回して輪郭を作っていくのと似ていますが、鉛筆で描かせてもそれが光と影に別れていくのですから。
また、描く紙の質、紙の表面のざらつき、漉いたときに残る水平線のような透かし後などを上手く絵に利用して描く様は、優秀な製図工に例えられる所以でしょう。

 最初に彼の作品を見たのが今から30年ほど前です。オークションに出たのがきっかけでしたが、油彩は粗い点描、ドローイングは何を描いているのかさっぱり理解できない代物でした。それが、当時でも恐ろしい金額になっていたことは記憶に残る所ですね。 展覧会は2008年1月7日まで、あまり長くないのですが多分巡回で日本にも来るのではないでしょうか、昨年のムンク展が今丁度日本に来ていますから。ただ。ドローイングは剥落のおそれがあり持ち主が出品したがらないこともあって、意外と油彩展よりは企画が難しいんですね。

◎ Martin Puryear:マーチン・パーヤー
    MoMA Martin Puryear SITE

 次にマーチン・パーヤーは1941年生まれ、今回の展覧会は1977年以降30年間に渡る彼の作品の芸術的な進化を展示しています。 パーヤーはポストミニマリストの世代を他のメンバーと共に1970年代活躍をした人です。作品の多くは「木」でその技は従来の建築技法に裏付けられています。 彼の彫刻は精神的で知的な引用を多く含んでいます。それらを通して、アイデンティティ、文化と歴史の問題を提起しています。

まあ、かなり以前からアメリカでは注目を集めていた作家ですが、常に対局(ここではミニマルーーそれ以外)に面白い作家が存在する物ですね。例えば先日亡くなったソル・ルーウイット等はミニマルの典型ですから作品を見るだけでも対局感は理解できます。ソルと言えば今回見に行ったビーコンで特別展示がされていました。とにかく「まあ〜よくそこまで〜〜!」の連続です。


話を戻して,木を使って作る作品は見る者を単純に魅了します。単純というのはまあ、構成が奇妙なこと、「よくまあ、ここまで….」というように、何というか、口では表現に限界がありますね!とにかく曲げ木の作品です。
同じような作風のアーティストは世界中に居ると思いますが、とにかくスケールがでかい!アースワークに近い感覚です。昔からよく観光地で売られている木製のパズル、何処から外して、どうやって組み立てて、そんな思考パターンを巨大にした作品も。

作風が恐竜のようだったり、木で出来た台車の上にP.Kleeのような顔が作られていたり、パアパ・ニューギニアの儀式用の斧、槍が並んでいたり、何処か無縁で逆に素朴で親しみを感じる作品群は作者の内面を理屈抜きで表しているようです。2008年1月14日まで、(少し短い気もしますが、2階の吹き抜けフロアー全部使ってますから)
        



次は、ハドソン川上流のアースワークミュージアム、ディア・ビーコンのレポートです。........続きはこちらから