Fall Season New York 2007

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| Sotheby's,Christie's Auction Report |

 今年のシーズンも高値更新の連続、いったいどうなってるの? 市場がオークションとアートフェアーに集約されているのを確認するようなシーズンでした。 今年からセールの時期が入れ替わって、ロンドンが10月に、NYが例年通り11月に、 12月はマイアミでアートフェアーが開かれる影響でしょうか、フェアーが美術界のスケジュール主導権を握っている感があります。
 今は世界中何処かでフェアーが開催されている状態ですから、セールも大変です。にもかかわらず、この秋から買い手手数料が25%に値上げ!10,000ドルの買い物は12,500ドルになるわけですから、10万ドルまでの価格帯の作品は割高感が否めません。それでも買い手が付くのが今の市場、売れるから作品が集まってくる、好循環です。こちらは下手に手出しをすれば日本価格より高く買わされる羽目に!何でそんなに手数料ばかり上がるのか、理解の範囲を超えています。
それに伴うカタログの豪華さ、でもこれ、別にオークション会社が儲かったから顧客にサービスしているのではなく、みんな自腹で買うのですから、カタログ代も高く付きます。それよりも、重たい、大きい、まるで画集と言うよりも百科事典を見ているような錯覚に陥ります。全てカラー!もちろん良い紙!  装丁は良いとして、問題はその中身ですが、これまた、億単位の絵がずら〜〜〜り並ぶ様は圧巻です。 プレビュー会場なんて、もう国内美術館の企画展より遙かに充実しています。



◎ 版画の部門:

 さて、肝心のセールですね。 クリスティーズ、ササビーズ共に版画のセールは順調、言い換えれば、可もなく不可もなくと言ったところ、ただ全体に今までのような目玉のようなドラマはありませんでした。近代版画はある一定のペースで、現代美術ではホックニーが弱含み、ジャスパー、ラウシェンバーグなど美術館の催しに連動していた頃の価格からすれば少し安め、というか本来の価格帯かもしれません。 出品数もずば抜けて多いのがリヒテンシュタインとウオーホール。にもかかわらず相変わらず高値!両方とも理解出来る図柄、ポップな感じがまだまだ市場に支持されています。そのせいか、キースへリング、ダミアンハーストなども堅調、私の扱っているアレックス・カッツはエスティメートの2倍行きました(^o^)ま、こういうこともないとね!

ウオーホルの「ADS」等はもうレコードですね。プリントセールの価格上昇は、コンセプチュアル作品までにはまだまだ伸びてこないようです。
一つ残念だったのは、ホックニーにホテルアカトランシリーズの最高作品「カリビアンティータイム」、決して悪くはないのですが、この大きなスクリーンの作品だけはエスティメートを大きく下回って落札($30,000)。一時は5200万円とも付けた作品なのに!。そんな中、F.ステラがやっと持ち直してきました。まだまだ、回復には遠い道のりですが、今のブームが少しずつ浸透してきたのではないでしょうか。 まあ、ある程度の作品はそこそこ価格が維持できています。

◎ 印象派・近代絵画部門:

 さて、プリントセールから1週間後、プレビュー会場ではすでに展示されていたのですが、印象派、近代絵画の部門です。
今年の目玉はサザビーズが「ゴーギャン」,クリスティーズは「マチス」。 この勝負はクリスティーズ側に軍配が!
Christie's Sotheby's
Henri Matisse:"L' Odalisque,harmonie bleue", 1937 Est:~$20,000,000.-$30,000,000(sold) Paul Gauguin:"LE MATIN", 1892 Est:~$60,000,000.-$35,000,000(sold)
クリスティーズのマチスは順調に値を伸ばし1500万ドル〜2000万ドルのエスティメートを1000万ドル上回る3000万ドルに、いくつかの不落札を抱えたものの全体では上手く売り抜いたと言えます。

というより、サザビーズの予想が大きく外れる結果になった今年の印象派のセールでした。
サザビーズのセールは、まず、5つ続いたエゴン・シーレのデッサンは順調に見えました。

しかし、セールは9番目のゴッホでつまずきました。エスティメートが高すぎたばかりか、セールの流れを掴みあぐねてしまい、2800万ドル〜3500万ドルのエスティメートは2500万ドルにしか届きませんでした。20ミリオンから始まったセールはローエスティメートにも届かず不落札に、会場がいやなため息であふれました。
これをきっかけに、18番目のゴーギャンがローエスティメートを下回る、3500万ドル、19番目のルノアールがパス、21番のゴーギャンもパス、28.30のピカソ、32番のブラック、43のピカソ、48のミロ、続くレジェーなど、76作品の内26.3%の作品がパス(不落札)となってしまいました。
No.41のフランツ・マルクでは、Est:2000~3000万ドルが、1800万ドルで落札されるシーンも! 全体的にクリスティーズより質の高い作品が集まったにもかかわらず、価格の読み違いにより、顧客を逃がしてしまった感じです。定かではありませんが、両オークションハウスは出品作品依頼にかなりのギャランティー(売却保証)を付けているとも言われ、これだけ不落札が続いて出ると本体にも影響があると懸念され、サザビーズのダウは360ポイントも下がりました。
実際、セール後の"交渉"でアンダービッダーへの売却もされ、そこそこの価格は維持できたものの、市場の過熱ぶりに冷水を掛けた、正にバブルがはじけるような現象でした。  

ある意味では絵画そのものの価値が下がったのではなく、絵画投資への熱中しすぎる予想「傾向」が常にバブルを誘発していると見ているようです。何れにしてもまだ当分はこの現象が続くでしょう。それは次の現代美術の分野において市場の強さが実証されました。

◎ 現代美術部門:

まあ,よくここまで価格が上がる物なのか!

といぶかるほどの好調の現代美術!  印象派の非ではないほど、数千万ドル作品がずらり。筆頭のフランシス・ベーコン$4500万、$3300万、マーク・ロスコーが2点で$5100万、アンディーウオーホールが3点で$5000万、鳴り物入りジェフ・クーンが、どでかいハートのペンダントを$2300万(日本円28億円)と記録づくめ。
この作品はクリスティーズに「指輪」が出てました。価格は$1100万、彼の作品は以前(1990年代)にイタリアのポルノ女優チッチョリーナとのラブシーンの写真を発表して一躍有名なったのですが、相変わらず奇抜な作品で市場を魅了してくれます。ダミアン・ハーストと共にメガギャラリー、ガゴシアンギャラリーの系列。現代美術の時代がレオ・キャステリから次の時代に変わってきたのを感じます。そう言えば唯一日本人作家でミリオンを付ける村上隆もガゴシアンギャラリーで展覧会をやっていたと。その村上隆の100cmスクエア、2004年の作品が$400,000〜600,000のところなんと!$2,393,000. 日本円で2億8千万円と言いますから驚きです。




Christie's Sotheby's
Jeff Koons:"Diamond-Blue", 1994-2005 Est:~Request$11,000,000(sold) Jeff Koons:"Hanging heart", 1994-2006 Est:~$20,000,000-$23,000,000(sold)

 
クリスティーズも軒並みにミリオン!現代美術の花形作品は日本人にはとうてい及ばない世界に!しかし、今、体力のない日本人コレクターもこの時期に変にお金があって共倒れに巻き添えを食うことがない分だけ幸せなのかもしれません。だって、必ず来ますよこの値段のツケは。ユダヤ作家をユダヤ資本が買うのは当然、近寄れない分安全なのでは!

  今年のセールもこんな感じで過ぎていきました。11月はセールの後、サンクスギビングを挟んでクリスマス商戦に。その前に12月の4〜9までアメリカで行われるバーゼル、「ARTBASEL MAIAMI」がマイアミビーチで行われます。同時期に来年の3がつにNYである、Pluse,Red Dot, 等のフェアーも開催されており、プリントではアートバーゼルの会場付近のホテル会場でもフェアーがあるとか。とにかく12月ぎりぎりまでアート市場は動いています。

  その他の作品では、ルシアン・フロイド、ゲヒャルト・リヒター、そして中国のザングジャング など高値を更新でした。


LUCIAN FREUD:"Ib and her hasband", 1992 Est:~Request$19,000,000(sold) ZHANG XIAOGANG:"Mother and Three sons", 1993 Est:~$2,200,000-$3,900,000(sold)

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