モデルニスモ〜現代建築
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● 「デザイン都市バルセロナ」 |Photograph Only|写真集
バルセロナは最近このような代名詞を獲得した街です。
とはいえ既に4〜5年は経過していますが、私がこの街に強く惹かれたのがNY、MoMAで行われた「On−Site: New Architecture in Spain]という近代スペインの新しい建築、デザイン、プロジェクトを紹介した展覧会でした。(February 12−May 1, 2006)
そこには奇抜なホテル、建物などおおよそそれまでのスペイン感覚から想像も出来ないイメージが並んでいました。もっとも、スペインにはピカソ、ミロをはじめ近代絵画の巨匠が多く存在しその影響力も半端なものではなく当然、町の風景、生活習慣などに反映されていたものと思われますが、近年の変革には目を見張るものがありました。 バルセロナと言えば最初に思い浮かべるのはやはりA.ガウディー!1852年に銅器具職人の息子として生まれ、1926年73歳で亡くなるまで実に多くの世界遺産を残していきました。
バルセロナのシンボル「サグラダ・ファミリア」は1882年に起工式が行われ、その完成は世紀を挟んで続けられています。
当初完成までは200年掛かると言われたものでしたが、昨今の入場者数の増加で2020年頃には工事が完成するそうです。
まあ、なにしろ複雑、巨大?と言えばそうですが、「後陣」から受難のファサード」まで中を通り抜けるのはむしろあっけないくらい、ただ、その内部、特に柱や天井、ステンドグラス、門扉等々、まあ、どれをとってもその技巧・芸術的な細工、至る所に刻まれている宗教色(イエスキリスト賛美)考え抜かれた自然との調和、もう言葉では言い尽くせないくらいの微に入り際にいり状態には本当に驚かされます。
以前、中国清朝の工芸を台北の故宮博物館で見たときも驚きましたが、かなりスケールが違うのと、片や政治的抑圧、権力によって貢がされた芸術と崇拝する純粋なエネルギーによって醸し出されたそれとは根本的に見るものへの余韻の伝わり方が違うんですね〜〜!
 扉に刻まれた賛美文字 |
 内部天井と支える柱 |
同じく、ガウディーの作の、カサ・ミラ、カサ・パトリョ等は、建物とそこに生活する人、採光、空気の環流、など、まるで建物が呼吸しているかのような印象を受けます。
でも、不思議ですよね、くどいような建築物ですが、中に入ってもくどくない、代えって親密感すらかんじるんですから。最初は、こんな建物住みづらいだろうな〜と思ってましたけどね。
例えば「カサ・パトリョ」のテーマは「海」、正面が海面で内部が海底、海底洞窟風になっている..と言って理解できますか?確かに入ってみないと判りませんね。ただ、内部は、上層階(6階建て)から1階にかけて、吹き抜けの壁の色が薄くなっていたり、同じく採光に関して、上層階は窓が小さく、下層階は窓が大きく明かりが採れるように配慮されていたりするんです。天井はまるで貝殻、巻き貝の断層のようで、自然の鼓動、呼吸を感じる設計。各部屋を仕切る扉にも風の流れを調整する小窓がまるで魚のエラのような感じで付いていたり.......とにかく面白い発見でした。 しかし、どの建物にもちゃんとキリスト賛美の紋章があるのですから。
 吹き抜けの窓、上層階に行くほど窓が小さくなっているのが判る、壁の色も下の方が薄い |
 裏手のルーフバルコニー、フェンスのデコレーションが面白い |
 隣との境の壁、床にも細かいモザイクが見える |
 表に向かう窓、全てを解放することが出来る |
 部屋と部屋との仕切り、上部の欄間にもガウディらしさが |
 裏手のバルコニーに出る入り口にある柱、普通ならじゃまな存在だが外気を調整する役目を持つ |
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作品「グエル公園」は、バルセロナを見下ろす山手に60戸の宅地を作る為に造成されたものでした。(それもイギリス風の)。 また、ガウディーのパトロンとして有名なグエル氏もギリシャを崇拝していたため、ドーリス式列柱廊は将来の住民のための市場として作られていたそうです。公園などに使われているタイルももともとは廃材の再利用、形と言いデザインと言い、すべてがマッチしたものなんですね。
この他にもガウディーの作品が多く残るバルセロナでした。この街はスペインの東側に位置し、地中海に出る交通の要所、そのため海を挟んで多くの異文化が通り過ぎていったとされています。ここでは19世紀ガウディーと共にモデルニスモ建築と呼ばれる芸術様式が花開きました。
それらの建築物を現在も街の至る所で見ることが出来ます。
あまり、説明が詳しくなるとそれこそくどくなるのかも知れませんが........
その街と今を共存し合うのが20世紀後半から21世紀に掛けての新しい建築物です。
1975年(昭和50年)に独裁政権崩壊してから1992年のバルセロナオリンピックまで今までの鬱憤を晴らすかのように新しい芸術が開花していきました。この1992年のオリンピック開催はこの街を大きく変えました。現在もそれ以前と以降の建物、生活習慣が同居している街ですが、近年それを大きく上回る変化の波が訪れました。
バルセロナの現代建築:
その幾つか、まず、2004年に完成した「トラ・アグバル」宇宙船のようでもあり筑紫のようでもあるこの建物は、パリの「アラブ世界研究所」や汐留の「電通本社ビル」を設計した(ジャン・ヌーベル)、半透明のガラスパネル(可動式)に覆われた巨大な「塔」現在市の水道局が入っています。新しいランドマークと言われたのでもっとなにがしかの観光スポットと思いきや、特になんにもない!建物の間近まで行くことも出来、すこし興ざめの感!バルセロナっこにしてみればもう見慣れた光景なのかも知れません。
次は旧市街にあるサンタ・カタリーナ市場、150年の歴史を持つ由緒ある市場が8年間の再生プロジェクトを経て生まれ変わったものです。手がけたのが「エンリク・ミラーレス」。残念ながら2000年に若くして死去、彼のパートナーである、(ベネディッタ・タグリアブレ)によって完成を見ることが出来ました。元の建物を生かし、木組みのアーチや柱で構成、波打つような巨大な屋根には色とりどりの30万枚のセラミックタイルが敷き詰められています。少し話がずれますが、実はこの波打つ形状は、ガウディーのサクラダ・ファミリアの裏手(受難のファサード側)にある、学校(今は設計博物館)の屋根とそっくりなんですね〜! 戻って、この市場の中はそれはもう素晴らしい内容の店だらけ、とくに市場とあって生ハム(ハモン・イベリコなど)などの食材が充実、早速ランチに!これがまた旨い!!スペイン産の赤ワインが又よく合うこと!
次に訪れたのはポルトベイからオリンピック村辺り。
旧港を再開発したポルトベイには海の架け橋(ランブラ・ダ・マール)Rambla de Mar(開閉式の歩道橋、跳ね橋ではなく船が通るときに引き込まれて海路が出来る) を渡るとショッピングセンター(ここは特に面白くはありませが)、ここに続くバルセロナ港を形成する△の地帯が通称バルセロネーター、マリーナにはヨットやクルーザーが停泊しちょっとした地中海気分が味わえるエリアです。
この海に面したジョアン・デ・ボルボ通りには魚介類の看板を出したレストランやタパス(スペイン風総菜)をならべた店がずら〜〜とならんでいます。 また、この表通りと直角に交差する小道を入ると旧市街宜しく昔の面影を残すバル(スペイン風居酒屋)や地元では名の知れたシーフードレストランなどが点在するちょっと面白い地帯です。
表に面した近代化とその裏側に点在する昔のままのバルセロネーター地区その対比が何か懐かしさを覚えます。このバルセロネーターの海岸地区はビーチとしても人気のエリア、6月ですでに暑いビーチでは当然海水浴、いいですね〜。
因みにこの写真は夜の10時過ぎにビーチにあるカフェで撮ったもの、とても夜とは思えないでしょう??
さて、バルセロネーターから海岸を北に歩くとオリンピック村に出ます。ここは1992年に再開発された地域で選手村があったところです。ツインタワーやその下にカジノ、レストランが並びその上部にフランク・O・ゲーリーのカッパー(銅色)の魚のオブジェが太陽に輝いています。
さて、バルセロナのもう一つの楽しみはバルをはじめとしたレストラン、元々スペインは農業国、内陸バレンシアでは有名なオレンジやワイン、イベリコ豚のハム、サラミなど畜産物も豊富でどれをとってもこれまた美味!建築物やデザインと同じように食のデザインも進んでいてその作風にも驚かされます。 しかし、忘れてはならないのがシーフード、そう、地中海の恵みをふんだんに使った料理はこれまた絶品の連続(そんな言い方在ったっけ!)これほどの素材、アカデミックな味付けと革新的な料理のコンビネーション。久しぶりに(NY以来 )住んでみたいと思った街でした。
さて、最後にこの街の美術探索です。
建築ばかりに目が行く所ですが、待ちの至る所に彫刻が並んでいます。ミロ、リヒテンシュタイン、再開発の為に出た廃材(線路の枕木)を使った新しい彫刻、公園にたつ現代彫刻など、街全体がアートに覆われているようです。そして、カタルーニア美術館のロマネスク美術やゴシック芸術、ピカソ、ミロの美術館、中世期から現代に至までの歴史に包まれた芸術群にはただただ感心するばかりです。まあ、よく考えればいにしえからスペインは大国でしたから、いまのサッカー大国と同じくね。
美術館最後は中心部スペイン広場から少し入った旧市街にあるMACBA(バルセロナ現代美術館)へ立ち寄りました。ここは今風にコレクションを持ちません。展覧会企画オンリーの美術館です、日本でも新東京都美術館が同じような展示方法です。4フロアーのうち、3フロアーにて企画展が在りましたが、時間の都合上1つの企画のみに、面白いことには企画の数によって入場料が変わるんですね。2つしか見たくないときは割安に!(どっちかな??)
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今回見たのはFrancese Torresの作品、これがまた面白いんです。企画展のため写真が撮れなかったのですが、コンセプトは実によく判るもので、俗に言う時間の変化を写真で明確に表した連作のようなものです。内容があまりにも単純過ぎて笑いすら覚えるものですが、内容の単純さが時には凄くシリアスに、まあ、短絡的に帰結してしまうので、この手法でブラックユーモアーを扱った作品などは「すこしグロテスク」にも思える内容です。
例えば、
1)4枚の写真が上下2枚づつ並んでいます。写真のモチーフには円がテープで縁取られておりその中にリンゴが1つ置いてあります。
2)2枚目の写真はその円の中に作家が入り、リンゴをかじっています。
3)3枚目の写真は芯だけになったリンゴが円の中にぽつりと置かれています。
ただ、これだけなのです、1枚目から4枚目にいたる時事の変化を撮った写真が並べてあるだけです。
一作品だけを見ているとよく判りませんが、続く作品群が皆同じコンセプトによって作られているので、
謎解きのルールを最初に示してから実際の作品の中で、作家が何を言いたいのかが、それなりに理解できるようになっています。
いあや〜〜少し難解かも知れません。わたしもいろんな角度で作品を眺めましたが、訳が分からないのも多々有りましたね。
ただ、普通のコンセプチュアルな作品とは少し違う、ビジュアル的にもまだ、親しみの持てる作品内容だった気がしました。流石に、最近は◎ペケ△四角には食傷気味ですから。
そんなバルセロナでした。
残念ながら今回は闘牛とサッカーの試合を見る気合いが在りませんでした。次回は根性入れて回ってみたいと思います。
写真をまとめて掲載しておきました、是非ご覧ください、まあ、ただの旅行記かも知れませんが?!
今回は3日間の滞在。まあ、一通りは見て回ったような、スペインは奥深いですから、再度何度でも挑戦してみたいところです。とはいえ全部書いてもただの旅行書の方が克明なものですから〜。 さて、次のページでは今回12年ぶり、2回目の街、メキシコ、カンクンとマヤ文明の遺跡に迫ってみました。とにかく、暑いを通り越した暑さ!の旅行記を紹介します。cancun
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