Art 39 Basel

アートフェアーレポート
June 4th~8th 2008

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● Art 39 BASEL: Art Barsel       |Photograph Only|会場風景一覧  |Liste08|

期間:June.04~June.08,2008
会場:Swiss Exhibition Center in the City of Basel
ジャンル:絵画、彫刻、美術一般
参考HP:Art 39 Basel |  来年の予定など


 例年、泊まるところで苦慮するバーゼルですが、今回は昨年の12月からブッキングを始めました。 まあ、プレゼンターではないのでどんなところでもOKなのですが、たまたま、フェアーの会場から数ブロックと言う、好条件で2泊確保することが出来ました。
6月4日から始まったフェアーも今年で39回目その間アメリカマイアミでも12月に開催されるようになり、いまやアートフェアーの代名詞にもなっています。
そのせいか、数限りあるホテルはほぼ完璧にOUT!昨年はお隣チューリッヒから1時間掛けて日帰りを繰り返す状態でした。

先ほども書きましたが、同時期、ヨーロッパが熱狂する「ユーロ08」がスイス全土で開催され、そのキックオフがなんと、ここバーゼルの市駅裏に新設されたスタジアムでなされる為、この街はサッカー一色!!ヨーロッパ各地から集まったサポーターに完全に呑まれてしまう勢いでした。繁華街はもちサッカーサッカー!

スイスの赤い牛まで出てくる始末、本当に今年は恵まれなかった(アート関連としては)、しかしその分テレビ中継ではお目にかかれない興奮、民族の融合とも言える訳の分からない連帯感??島国日本とは、全く違うんですね〜!サッカーはただのフットボールの試合ではなくヨーロッパの言語なんですね。
メキシコでもサッカーのルーツとなる競技が古代アステカ文明でも行われていましたが、ここでは勝者の主将は栄光に為に神に召される栄誉を与えられて首をはねられたとか! ゴールの妙技に酔う近年サッカーと神に召される為の栄冠!人間の精神はそこまで純粋になれるのでしょうか??


 

 まあ、その興奮を眺めながら会場へと足を運びました。 会場前には例年パブリックアートとして何人かの作品が展示されています。今年はUgo Rondinone(ウゴ・ロンディノーネ)の[Moonrise.east],テラコッタ(粘土で作られた彫刻)指後が作品に残る力作でその数10体ほど、どれもユニークで楽しく童心に帰れる作品です。 その後ろには、通常は噴水なのですが、水の流れ(波)の波形、広がり、周期などをコントロールしたインスタレーションが展示されていました。又、会場入り口にはRoxy Paineの Inversion,2008が、これも有るようで無いような〜〜〜。 相変わらず意味不明の物も、会場の反対側にはスイスアワードの作品群、特に画商が付いてるわけでもなく、ユニークな作品が一杯に展示されており、面白さでは会場内の作品よりも印象に残りました。
 では、今回会場内の作品で興味深い物で順番に挙げていきます。
コマーシャルギャラリーの看板はやはり今話題の作家、ダミアン・ハースト、至る所に彼の作品があり、一目でそれと分かるものばかり、見慣れるとは恐ろしい物で、最初の印象から段々違和感が無くなってくるのも不思議な話です。
ドットの作品、薬箱、回転するキャンバスに絵の具をぶちまけた作品、そして、「蝶」、写真で100cmスクエア台の色の違う蝶とか、アクリル絵の具を塗ったキャンバスに蝶の現物を貼り付けた作品など。まだまだ、作品は広がりそうです(価格もね)!

昨年会場前のパブリックアートにも出展されていたアニッシュ・カプアーの凹レンズ作品、これは石彫で作られた大きな凹レンズ、音やイメージ、光や熱までも凹レンズが集中させるため、近づくと自分の息遣いまでもが吸い込まれそうな感覚を覚える作品です。リッソン(ロンドン)のブースでは内容は同じでグラスファイバーなどの軽量素材に変えた物もありました。今、注目株かも!

人物表現では初期から少し不気味な人物像を作ってきたゴームリー、数年前からアルファベットを用いて顔や人物の座像を表現してきた、ジャウメ・スペンサなども面白さは変わっていません。 新しいところでは、Carmen Perrrinの着色したポリカーボネイト(長さ3cmぐらいにカットしたストロー状のもの)を3mx6mに並べた作品、真正面から見るのと、離れて全体を見るのとではイメージ感じ方が違う。これなどは早い時期に売却されていたとか。


  今年面白かった物の一つには、コマ送り、を作品にした物がありました。まあ、時間の経過の面白さなのでしょうが、幾つかのシーンの部分を15枚程度の連作として実際の映像を紙焼きした物で並べています、同じように何種類かの8mmフィルムを並べていき映像の色のコントラストで模様を作り出した作品もありました。

続いて、日本人作家2人、共にランドスケープとしてその捉え方の面白さが際だちます。Masuyama Hiroyukiは18世紀の巨匠達の絵画を画面上に再構成する作品シリーズです。 最初にCaspar D. Friedrichの作品に挑んだ後、今回はウイリアム・ターナーのベニス風景にチャレンジしています。画像で見る限り正にターナーの作品ですが、Masuyamaは絵の題材となったヴェニスを訪れ、数百枚の写真を撮りそれらを合成することにより新しい1枚の作品を作り上げています。 模倣は新たな発見と成長のステップと言えますが、18世紀の作家作品を19世紀の作家達がその時代なりに模倣したのとは違い、21世紀の感性で集約された作品には当時の作家のみ知り得るポイントと新たな作家の視点の融合の面白さが見て取れるのではないでしょうか。

もう一人はすでに日本を代表する写真家として{超}有名になってきた杉本 博司の作品です。 東京のギャラリーの出展にて展示されていたのは幾何学紋様の作品、また、NYの画廊から出品されていた「海風景、North pacific Ocean、Okurazaki,2002」は天地150cm、幅、10M に及ぶ7枚のパネルを使った作品です。因みにエディション5部。その他建設が進む北京オリンピックメインスタジアムの裏焼き写真など、やはり杉本の感性らしさが目立ちます。
  その他、アメリカ現代美術では、やはりカッツの作品が健在、ロバートインディアナ、キースへリング、バスキア、そして、ゲハルト・リヒター、版画では前出のダミアンハースト、ジュリアン・オピー、ロバート・マンゴールド、息の長い作家達が数多く出品されていました。
 昨年に比べ際だって少なかったのが、中国現代美術、1カ所にまとめて「中国現代美術」と銘打ってありましたが、やはり、ここ、バーゼルはユダヤの聖地、華僑とて、難攻不落のようですね。
 さて、バーゼルは、ここアートバーゼルだけではなく他に2カ所ほどのフェアーがありました。 その一つ{LISTE '08}に訪れてみました。会場は何処かの学校の跡地?いまいちピンとこないところですがこんな所にも日本の画廊が出店しているのには驚きです。 その大半は試行錯誤の体験美術、商品として形に至るまでまだその道のりは遠そうです。 芸大の文化祭、宜しくパワーだけは感じました。いろいろなコンセプトの発祥機知のようですが、これら初期の感性(物事に対する関わり方)などが今後如何に簡素化され商品として現れるかが楽しみです。 全体としてみれば、購入対象商品(作品)は判りやすい、単純明快、綺麗、美しい、楽しい、など生活空間に持ち込めることが当たり前の条件です。ただ、物に対する見方、関わり方などはやはりこのような実験的段階を経ないと生まれてこないのでしょう。そう考えれば、思わず青田刈りをしそうですが、現在の作家達を取り巻く環境(金銭的なパトロンの出現とか)が次へのステップとなり得るのは確かなようです。今や、作家作品は一人の天才的な能力を超えて、ブレーンによるコラボレーションの時代に入ったと言えるでしょう。如何に面白い作家を世に出すか、言われ続けてきたことですが、作家とパトロン(市場)との関係が本当の巨匠を生み出す仕組みなのですね。では、現代の巨匠は単に創られたものなのかと言えば決してそれだけでもない。それが、芸術の不思議なところでもあるんですね。



 1回ではなかなか掴めない「雰囲気」という情報を、数回体験すると次第に外観が見えてくる物です。私たちは美術市場を幾つかに分けて考えていきますが、アートフェアー、オークション、何れにも情報と時間との戦いですね、この終わりのない市場に席を確保し続けることがやはり必要なのかもしれません。
さて、次のページでは今回第2の訪問都市、スペイン・バルセロナの旅行記を紹介します。Barcelona,Spain

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